成人矯正

大人の歯科矯正治療

小児の場合とは異なり、成人になると歯牙や歯槽骨、顎骨などの成長が止まって形状が安定してしまうので、矯正治療を諦めておられる方もいらっしゃるようです。

しかし、断念するのは早すぎるかもしれません。小児期よりも矯正技術は必要ですが、歯の向きを少しずつ動かし、時間をかけて矯正できる症例は結構あるのです。実際、高齢となってから歯科矯正を行い、「歯並びが良くなって人生が楽しくなった」、「美味しいものをしっかり噛んで食べられるようになった」とおっしゃる方もいらっしゃいます。

当院では、初回の相談を無料で行っておりますので、まずはご来院し、ご相談ください。

治療に関する疑問にお答えします

矯正器具が見えないように出来ますか？

歯列矯正を行う際には、歯牙を少しずつ動かして固定するための矯正装置を用います。これを歯の表面に固定するのですが、その位置は、歯の前面（頬のある側）と、歯の裏面（舌のある側）の2種類があります。以前は頬側に取り付けるケースが一般的でしたが、最近は舌側に取り付けるケースも増えています。

舌側矯正の場合、口を開けても歯の表面（前面）には矯正装置が付いていないため、正面からは見えにくくなっています。そのため、「歯並びを矯正したいと思っているけれど、矯正していることが他人に知られるのは恥ずかしい」、「歯の表面に矯正装置を付けていると、職業的に不都合が生じる」と躊躇していた方にとって望ましい治療法と言えるでしょう。

また、最近は矯正装置自体が小さくなり、装着後の違和感、発音のしづらさも軽減されてきました。装着した当初は違和感があるかと思いますが、通常は数週間ほどで違和感が治まり、普通に会話が出来るようになります。

治療中に発生しやすい齲蝕に関しても、舌側矯正の場合は歯の表面のエナメル質を傷つけませんので、リスクを抑えることが出来ます。日常の歯磨きに関しても、歯科衛生士がブラッシング指導を行いますので、歯の裏側まできちんと磨くことが出来ます。

この他、透明の矯正専用マウスピースを用いる「インビザライン」もあります。着脱可能ですが、一日に20時間以上、口腔内に装着します。もっとも、しばらくの時間ならば外していても大丈夫ですから、友人や同僚などと外食する際には、矯正器具を外して食事を楽しむことも出来ます。透明な器具なので、審美的にも優れています。

治療期間はどのくらいかかるの？

歯列矯正の期間は、患者さまの年齢、口腔内の状態、歯牙移動の方法、最終的に目指している歯並びの形状などによって大きく異なってきます。

例えば、前歯の一部を微調整するぐらいならば2年前後で治療を完了させられますが、咬合全体の調整を本格的に行う場合は、段階的に治療を進めていきますので、長期になることもあります。但し、症例によっては矯正手法を工夫することで短縮化できるものもあります。詳しくは矯正歯科医までご相談ください。

矯正器具を付けていると痛くないの？

痛みは、歯牙移動の状態によっても異なりますし、患者さまの感じ方によっても差があります。通常、矯正装置を付けた直後や、装置の調整を行った直後（歯牙を微調整した直後）には歯が引っ張られているような違和感、あるいは痛みを感じることもありますが、しばらくすると痛みは治まることが多いです。

痛みを感じる場面としては、まず「矯正装置を装着した直後」があります。歯牙を動かすことに伴い、歯根膜などが圧迫され、歯の根っこがずれていくような違和感が出るようになるのです。但し、痛みが徐々に軽くなり、通常は1週間ほどで収まります。

また、食事のときに痛みを感じる方もいらっしゃいます。硬いものを咀嚼したり、かみ切ったりするときは、歯の根っこに強い力がかかりますので、痛みや違和感が出やすいのです。その場合は、食事をゆっくり摂る、硬いものは慎重に噛むことが大切です。

歯の表面につけられたブラケットやワイヤーが舌などに当たった際も、違和感を覚えやすく、それが強くなると、痛みを感じてしまったり、口内炎になったりすることもあります。このような症状が出た場合は、担当の矯正歯科医までご相談ください。歯科用のワックスを使用したり、装置が当たる部位を保護したりして、痛みを軽減することが可能です。

どのくらいの費用がかかるの？

歯科矯正治療は公的医療保険の適用外ですので、個々の歯科医師の裁量によって自由に決めることになっています。そのため、同様の治療内容であっても、歯科医院ごとに異なっているのです。

あくまでも目安ですが、一般的には、乳歯列期の場合は3～20万円、混合歯列期の場合は15～60万円、永久歯列期では50～200万円とかなり幅があります。但し、乳歯列期と混合歯列期の矯正治療を継続して行う場合などでは、料金の調子をしている歯科医院が大半です。

また、歯科医院によっては、通院ごとに調整料などを算定するケースもありますので、治療を始める前に歯科医師としっかり話し合い、よく確かめてから契約するようにして下さい。